備え梅

浅田政志のすっぱい顔写真館

浅田政志さんとのこと

BambooCut・竹内と浅田政志さんとの出会いは前職(株式会社ほぼ日)の時でした。浅田さんの仕事ぶりに興味を持ち、写真集をさっそく購入。ページをめくった時の衝撃は今でも忘れられません。写真って笑えるものなんだ。写真って楽しいものなんだ。「写真」という「表現」で楽しみ、「写真」に憧れを感じた、そんな初体験の日でした。

ほぼ日を卒業し、「にっぽんの梅干し展」を企画していた頃、頭のなかは梅干しでいっぱいです。どんな展示物を用意しようか、それを考えている時間が幸せでした。そして、浅田さんとなにか一緒に作りたいと思いながら六本木ミッドタウンを歩いていた時、なぜか目の前に浅田さんがいたのです。幻覚ではありません。この話も嘘ではありません。「こんな偶然って……」。それから浅田さんに梅干しの話をして一緒に展示物を作りたい旨を伝えました。浅田さんからの返答は「やろうよ! 昔、まだ駆け出しの時、梅干しの写真を撮ってたんだよ(笑)」。何回も言いますが、幻聴ではありません。この話も嘘ではありません。ぼくにとっては「奇跡」の出来事でした。

それから「にっぽんの梅干し展」で作品を作っていただき、渋谷・京都・大阪・フランス・紀州など、各展でも展示をさせていただきました。さらに、別件のお仕事「気仙沼漁師カレンダー」でも撮影を担当していただき、BambooCutにとっては一番接点の多いカメラマンさんと言っても過言ではありません。

そんな浅田さんとの「夢の企画」があります。世界中の人たちの「すっぱい顔」を撮影して、「すっぱい顔の写真集」を作ることです。実現するためには大変な時間とお金がかかりますが、人のすっぱい顔は無防備で、人を笑わせる、幸せにするなにかがあると思っています。そんな「夢の企画」のはじめの1歩を「備え梅」のホームページでスタートさせたいと思います。子供も大人も、日本人も外国人も、すっぱい顔に国境なし。目指せ63億人!

写真家浅田 政志Asada masashi
1979年三重県生まれ。2007年写真家として独立。2009年写真集『浅田家』(2008年赤々舎刊)で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。BambooCutプロデュース「気仙沼漁師カレンダー2016」では全国カレンダー展にてフジサンケイビジネスアイ賞を受賞。著書には『NEW LIFE』(赤々舎)、『家族新聞』(幻冬舎)、『通学路』(プランクトン)、『八戸レビュウ』(美術出版社)、『くまモン、どこ行くの?』(飛鳥新社)、『南予写真 NANYO』(日本文芸社)、『いまバリィさんぽ』(ザメディアジョン)、『家族写真は「」である』(亜紀書房)、『卒業写真の宿題』(赤々舎)、『アルバムのチカラ』(赤々舎)などがある。