学校と梅干し

記念すべき「備え梅が、ゆく!」のコーナー、第1回目は「学校と梅干し」という企画です。もしも備え梅が人間だったのなら、どんな冒険をしてきたのでしょう?

というわけで、東京都葛飾区の道上小学校へ。さすが都会です。校舎の3階に体育館がありました。子供たちはボチボチな感じで集まり始め……。

校長先生の挨拶とともに「避難所生活体験会」のスタート。エンジのTシャツが今回お世話になった「おやじの会」のみなさま。主催者でもあります。

さっそく防災について学びましょう。都内の場合、区にもよるそうですが葛飾区の小学校には備蓄倉庫があるのだそう。アルファ米やビスコなどを備えています。

コレ、なんだかわかります? そうです。発電機なのですが、なんとガスボンベが燃料になるすぐれもの。子供たちは、スターターで動かす練習を。

そして、地震体験のために「震平くんⅡ号」へ。編集部も体験させてもらいましたが、震度7はハンパじゃありませんでした。とにかく頭を守るべし!

さてさて。今回の体験会でBambooCutはなにができるんだろう?と考えたイベントがこちらなのですが、子供たちが笑顔になり始めたその内容とは?

梅ジュース作り! 「梅が嫌いな人〜?」の問いかけには、半分以上の子が「はーい!」との答えでギャフンでしたが「作るのは楽しい」との言葉にひと安心。

作り方はとっても簡単。まず梅をよく洗って、水気をふきとります。ちなみに、梅を冷凍させておくと解凍時に液体がでやすく作りやすいですよ〜。

続いて、竹串などでヘタをとります。写真左の真剣な表情の人物は、おやじの会会長の勢島さん。「防災の勉強プラス、子供たちに楽しんでもらいたいです」。

勢島会長、ご安心ください。キッズたちも楽しんでくれているご様子。梅ジュース作りの工程的には、氷砂糖を入れてシェイク&シェイク&シェイク!

体育館に響きわたるシャカシャカ音がシュールでした(笑)。通常、1週間後に完成します。7倍にうすめておいしい梅ジュースをお楽しみください。

キッズたちにはお土産として自宅に持って帰ってもらうことに。そして、体験会は続きます。防災士の方を招いて、ダンボールの間仕切りで居住スペースを。

間仕切りのない体育館の床でも寝転がってみました。「仕切りがあるのとないのとじゃ全然ちがう!」と驚いていたキッズ。ダンボールで枕を作アイデアマンも。

そしてこちらが、おやじの会のメンバーが子供たちに経験してもらいたかった巨大タープ! みんなで協力して作ったら、わずか10分ほどで完成しました。

実はあいにくの雨模様のお天気だった当日。体験会の裏コンセプトが「夜の学校にテントで泊まろう」で校庭にもテントを建てる予定でしたが、中止に(涙)。

それでも、子供たちは、ふだんはお休みの日に、学校に泊まること自体が楽しいご様子。写真のポーズは梅干しを食べて酸っぱさMAXの状態だそうです。

テントは無理だったけど、キャンプ感覚は続きます。なんと! 空きカンを使った飯盒すいさん体験も。水を入れたあとでアルミホイルで蓋をします。

おぉ〜、空きカン飯盒ALL スターズの勇姿! 唯一の飯盒がなんだかアウェイな雰囲気(笑)。さてさて、気になるお味のほうはいかに?

「おいしい!」「芯が残ってる!」「でもでも、当たり外れがあるのがおもしろい!」「砂よりはやわらかい!」。以上、子供たちの素直なリアクションでした。

BambooCutからは切替瑶太が参戦。キッズたちの人気者でしたが、実は、翌朝のイベントがうまくいくかと内心ドキドキ状態。翌朝の様子はのちほどご紹介。

葛飾区を中心に防災の啓蒙活動を続けているEma-Imaさん主催により、防災劇団がお芝居仕立てで防災への意識を教えてくれます。「おかしもち」って知ってますか?

お「押さない!」か「駆けない!」し「喋らない!」も「戻らない!」ち「近寄らない!」。おかしもちを覚えておくだけでもいざという時に役立ちます。

いやぁ、なんだかんだと盛りだくさんでした。夜21時消灯です。子供たちはなかなか寝ないのかなぁと思ったら30分後には安らかな寝息が。お疲れ様。

そして朝。コレです! 切替が内心ドキドキだった「みんなで“梅干し体操”を踊ろう」のコーナー。梅干し体操ってなに?と思われた方はBambooCutのHPを。

キッズたちの反応は「難しい! もっと簡単なやつも作ってよ!」。対する切替の反応は「……努力します」などと政治家のようなお返事でした(笑)。

そしてついに、備え梅が活躍する瞬間がやってまいりました。朝食はおにぎり&お味噌汁だったのですが、その具材に。ご飯のほうはと言いますと……。

防災品として注目を集めている「ポリ袋炊飯」にて朝食を。このごはんと備え梅でおにぎりをみんなで作るわけですが、「オレ」ってどの俺でしょう?(笑)

できた! ポリ袋炊飯、いい感じです! 空気を抜いて炊くので、お皿にのせてからほぐす作業が必要ですが、お味のほどはテイスティ。さて、備え梅の味は?

「すっぱ! すっぱ! すっぱ!」と3回繰り返すキッズも(笑)。そうでしょう、そうでしょう。その酸っぱさが備え梅の備え梅たる所以ですから。

興味のある方は、本HPの「備え梅のこと」をご参照くださいませ。そしてそして、こちらのキッズは梅干しがお好きなご様子でした。

まだまだ、BambooCutとおやじの会のコラボ企画は続きます。ん? 3m? そしてその赤い種は、もしかしてもしかするともしかしちゃったりなんかして?

梅干しの種飛ばし大会です! 世界記録は、なんと20メートル。大人も子供も一緒になって楽しめるのがいい感じ。この日の最長記録は14メートル60センチ!

最後は防災にまつわるお勉強をわかりやすく。「火は自分の背よりも高くなったら逃げる」との教えに、子供たちは静かに聞き入り、うなづいておりました。

最後の最後に記念撮影を。校長先生、おやじの会のみなさま、そして参加してくれたキッズたち。本当にありがとうございました!

おまけです。みんなで作った梅ジュースの出来栄えをキッズに確認してもらいました。「すっぱ!」。え? 香りだけなのに?(笑)




































楽しく備える。実はこれ、備え梅のコンセプトを考えている時期に、BambooCutが思いついた言葉のひとつでした。ただし、このHPにその言葉は記載されていません。まずは、防災品としてみなさんに備え梅の存在を知ってほしいと考えた時に、「楽しく」というニュアンスが不謹慎だなどと誤解されたくなかったからです。時が経ちました。まだまだ、備え梅の認知度はこれからですが、防災に対するみなさんの意識も変化してきたように感じます。だからこそ、いま、楽しく備える。備え梅の活用法や活躍法(?)を「備え梅がゆく!!」と題してお届けします。記念すべき第1回目の企画は、東京のとある小学校が舞台となったのでした。
撮影:鈴木泰介
取材&文:唐澤和也